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ラドン濃度変化でイタリア被害地震を予知

ニュースでは,今回のイタリアにおける地震を予知したと主張する研究者の話が報道されています.この研究者は,G. Giulianiという方です.この話については,「また後予知の話が出てきた」との反応があるようですが,彼は,少なくとも2005年からラドンの観測を実施しているようです.以下は,研究所のセミナーで彼が発表した内容の要旨です.
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National Institute of Nuclear Physics, Gran Sasso National Laboratotyにおけるセミナー講演要旨(2005/7/13)

ラドン(222-Rn)による地震事象の先行的な検知

G. Giuliani

ラドンの探知器のプロトタイプは研究の目的である地震活動の先行的な検知のために最大限に活用できる.222Rnの検出の革新的な方法を開発した. ラドンの検出の新しい方法は今まで実現したラドン壊変の連鎖から放出されるα粒子の検出に基づいており,これまでの探知器より有効なようである.開発し機器のシステムを,ラクイア市においてラドン濃度変化の連続的な観測のために使用される.
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日本でも地震予知を目指してラドンの観測が今でも行われていますが,まだ実用化されていません.地震に伴ってラドン濃度が変化することは,確認されているようですが,地震が起きなくともラドン濃度が変化する場合もあるので,確実な予知にはまだ使えないのだと思います.

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イタリアの地震

2009年4月6日午前3時32分(現地時間)、イタリア中部のLAquilaでM6.3の地震が発生しました.震源が浅いため大きな被害が発生しています.イタリアでは,半島の中央部の山岳地帯で過去にも大きな地震が起きています.
20090411a_3

図.イタリアにおける被害地震(図中で,地名-発生年-犠牲者数を示す).

おどろくことに,今回の地震の震源のすぐそばで,約300年前にも大きな地震が起きて,一万人近くの人々が亡くなっているのです.また,LAquilaの南の山岳地帯のAvesssanoでは1915年に大地震が発生して,3万人におよぶ犠牲者が出ています.イタリアの中部山岳地帯は過去に大地震の被害に見舞われています.ナポリの東の山岳地帯でも被害地震が集中して起きています.イタリア半島の南端では,1980年に大地震がおきて,8万人におよぶ被害者がでました.この多くは地震で発生した津波による被害です.

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